僕の人生経験からいえば、通常は、まずは量をこなして自分のウリを磨いて仕事の質を上げ、商品価値が高まることで量に追われることがなくなるというプロセスをたどるものです。
(引用)異端のすすめ 強みを武器にする生き方、橋下徹、SBクリエイティブ株式会社、2020年、72
この橋下氏の言葉を聞いて、私は、ピーター・F・ドラッカーの「自分の強みを活かす」ということを思い出した。その他大勢から抜け出すには、まず、自分のウリ(強み)は何であろうと認識することから始まる。自分は何者で、何が得意で、何が他人より秀でているのか。それは、一つの要素に限らない。橋下氏によれば、その強みを掛けあわせた総体が自分の価値になるという。
全く同感だ。
さらに、私は、その強みが自分の仕事に活かされなければ意味がないと考える。ただ、どんな仕事にも幅がある。その幅の中に、自分という強みを持った個性を置くことで、光り輝かせる。そんなことが必要であろうと感じた。
そして、橋下氏は、量をこなすことによって、質が向上すると言う。
これも同感だ。
多くの人は、失敗を恐れる。しかし、失敗から学ぶことが多い。私は、チャレンジを繰り返して、失敗し、それを次に活かすことにより、質が向上するのだろうと思う。
これも、私の経験だが、チャレンジすることにより、チャンスを得たこともあった。私は、他人が尻込みする仕事の中に、自分を大きく飛躍させてくれる希望の種が隠れていると思う。イソ弁(居候の弁護士)から、大阪市長、大阪府知事までのぼりつめた橋下氏も、大きなチャレンジをすべきと説く。大きなチャレンジは、失うものより、得るもののほうが大きいからだ。
商品価値が高まれば、質の仕事に移行すると橋下氏は言う。また、ある出来事に対して、自分の見解(持論)をもてとも言う。
これも共感することだ。
私も持論を展開するときには、そのバックデータとなるエビデンスを求める。氾濫する情報から自分の目的にあった情報をピックアップし、分析し、自分の主張の根拠として情報を活用する。それによって、自分の考え方(持論)は、説得力という大きな武器を得る。
私も橋下氏と同じ、50代になりつつある。この本は、歳を重ね、多くの経験をして、得てきたものがあるからこそわかる人生の指南書的存在のものだ。
自分の人生を後悔しないため、特に若い世代のかたたちに、橋下氏の著書をおすすめしたい。
2020年2月10日月曜日
孤高の箴言
逡巡する者は後れを取る。
躊躇する者は追い抜かれる。
そんな者達を尻目に、勇敢な前進者は前へ突き進む。
(引用)孤高の箴言、菊池翔著、幻冬舎メディアコンサルティング、株式会社幻冬舎、2019年、「092 勇敢な前進者であれ。」から一部引用
私は、まるで吸い込まれるように、本屋で「孤高の箴言」という本を手にとった。この本は、エクシアの菊池翔氏が著したものである。この本は、一般のビジネス書にありがちな、菊池氏の生い立ちや会社の概要などの記述は全て省かれ、無駄な文章が一切ない。まるで詩集のように、ただ、菊池氏が自身の生きる指針を纏めたかのようである。
言葉は、どれもストイックで、厳しい競争に生き抜くためのものが並ぶ。
この本は、さらっと読み流すだけでは、何も得られない。
ゆっくりと噛み締めながら読み進めてみて、自分の仕事に対する姿勢と照らし合わせる。
そうすることで、新たな発見をすることも多々あった。
この本に出てくる言葉は、男性的で、しかも厳しいものが並ぶ。
しかし、一方で「休息を躊躇うな。」という文章も登場する。
「マインドフルネス」も話題になっているが、ストレスフルな現代社会において、時には、思考を停止し、体を休ませ、次のステージに移行することも必要なのだろうと感じる。
一番、菊池氏と共感した部分が、どの世界にも、他者に依存し、自分で答えが出せない人が多いということだ。
勇者は、自分で考え、前へ進む。
傀儡の生涯を望まなければ、それしかない。
傀儡の生涯を望むか。それとも否か。それを決めて行動するのは、自分自身であると、改めて菊池氏は教えてくれた。
躊躇する者は追い抜かれる。
そんな者達を尻目に、勇敢な前進者は前へ突き進む。
(引用)孤高の箴言、菊池翔著、幻冬舎メディアコンサルティング、株式会社幻冬舎、2019年、「092 勇敢な前進者であれ。」から一部引用
私は、まるで吸い込まれるように、本屋で「孤高の箴言」という本を手にとった。この本は、エクシアの菊池翔氏が著したものである。この本は、一般のビジネス書にありがちな、菊池氏の生い立ちや会社の概要などの記述は全て省かれ、無駄な文章が一切ない。まるで詩集のように、ただ、菊池氏が自身の生きる指針を纏めたかのようである。
言葉は、どれもストイックで、厳しい競争に生き抜くためのものが並ぶ。
この本は、さらっと読み流すだけでは、何も得られない。
ゆっくりと噛み締めながら読み進めてみて、自分の仕事に対する姿勢と照らし合わせる。
そうすることで、新たな発見をすることも多々あった。
この本に出てくる言葉は、男性的で、しかも厳しいものが並ぶ。
しかし、一方で「休息を躊躇うな。」という文章も登場する。
「マインドフルネス」も話題になっているが、ストレスフルな現代社会において、時には、思考を停止し、体を休ませ、次のステージに移行することも必要なのだろうと感じる。
一番、菊池氏と共感した部分が、どの世界にも、他者に依存し、自分で答えが出せない人が多いということだ。
勇者は、自分で考え、前へ進む。
傀儡の生涯を望まなければ、それしかない。
傀儡の生涯を望むか。それとも否か。それを決めて行動するのは、自分自身であると、改めて菊池氏は教えてくれた。
2020年2月8日土曜日
OODA LOOP
旧日本陸軍の大本営参謀を務め、戦後は第二次臨時行政調査会の委員などを務めた瀬島龍三氏は危機管理の極意をこう表現した。
「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」
(引用)OODA危機管理と効率・達成を叶えるマネジメント、小林宏之著、株式会社徳間書店、2020年、124
ビジネスの世界では、PDCAサイクルがよく知られている。しかし、OODA LOOP(ウーダー ループ)は、まだあまり我が国には浸透していない。以前、私もチェット リチャーズ著の「OODA LOOP」(東洋経済新報社、2019年)で初めてその存在を知った。
このOODA LOOPは、アメリカ空軍パイロットのジョン・ボイド大佐が考案したもので、
・観察(Observe)
・状況判断(Orient)
・意思決定(Decide)
・行動(Act)
の4つのフェーズを回していくものだ。
空軍兵士が考えたこともあり、当初は危機管理ツールという意味合いが強かったかもしれないが、次第にスピード重視のビジネスの世界にもOODA LOOPの考えが広まりつつある。
このたびの小林宏之氏による著書は、OODAループを「危機管理」中心に書かれてはいるものの、OODA LOOPの入門書としても十分活用でき、即断即決が求められるビジネス界にも応用が効くものとなっている。
先程の4つのフェーズごとで、それぞれ「何をすべきか」ということが最新の事例によって語られており、危機管理の出発点とされる「何を大切にするのか」といった視点をもとに、小林氏は、OODA LOOPを回していくことを分かりやすく教えてくれる。
最近では、湖北省武漢市が発生源とされる新型肺炎コロナウィルスの感染が広がりつつあり、中国を始めとした経済活動にも大きな打撃を与えている。このコロナウィルスは、もはや対岸の火事ではない。我が国も感染拡大防止のため、関係機関と協力し奔走している。なにも、コロナウイルスは、国に全てお任せではなく、県や市町村が危機の未然防止をし、危機発生時の最悪の事態を防ぐ被害極限対応できる体制を整えることにより、国民、県民、市民からコロナウイルスの感染拡大を少しでも防ぎ、発生した場合は速やかに適切に対処していくことが求められる。
OODA LOOPは、観察から始まる。そして、状況判断をして、意思決定をする。いま、「自分たちの置かれている状況はなにか」、そして、そこから「私達を守るには何をすべきか(危機管理の出発点である「何を大切にするのか」)」を考え、悲観的に(最悪のシナリオを想定して)準備していけばよい。そうすれば、もし、身近でコロナウイルスの疑わしき事例が発生したら、シナリオにそって(シナリオ通りにいかないケースもあるが)、落ち着いて行動を起こすことが肝要だ。
しかし、悲観的と言われれば、そこで終わらないのかもしれない。今後、県内で多数の新型肺炎に罹患した患者が発生した場合、最悪のケースといえば、武漢で見られるように交通機能封鎖の措置がとられ、生活必需品が手に入らなくなることなども想定される。また、学校や会社も機能停止し、病院には、患者があふれかえる。まさに、今、中国でおこっていることが、私達の身近で発生するかもしれない。そのため、私達ができることは、いまの状況をしっかり観察し、あらゆる悲観的なシナリオを想定して、準備し、意思決定をし、行動を起こすことだ。
私もかつて危機管理部署に所属したことがある。そのとき、東日本大震災が発生した。被災地に出向き、津波によって何もかも洗い流されてしまった跡を見て、人間の無力さを感じた。しかし、そんな状況でも、明るいニュースもあった。そのニュースは、いわゆる「釜石の奇跡」と言われ、当時、釜石市内の小中学校の児童・生徒たちは、地震発生時に自主避難して、学校管理下にあった児童・生徒らは全員助かった(生存率99.8%)。なぜ、津波を知らない子どもたちが悲観的な事態を想定して、命を守ることができたのか。それは、群馬大の教授だった片田敏孝先生が、津波からの避難訓練を8年にわたり続けてきたからだ。
その子達は、「率先避難者」として、まず子どもたちが避難することで、大人たちもそれに引きづられる形で避難を始めることもできたという。まさに、観察(大地震発生)、状況判断(津波が来るかもしれない)、意思決定(高台に避難しよう)、行動(周りの人を呼びかけて避難)といった、即時即決を強みとするOODA LOOPがうまく機能した事例だと思った。行動を起こす際、すでに準備ができているから、落ち着いて(楽観的に)対処できる好事例だ。これが、従来のPDCAサイクル、つまり、PLAN「計画」から始めていては、子どもたちは助からなかった。
危機管理は、なにもこのような大きな事例ばかりではない。私達の身近にも、危機管理事案は多く存在する。そのとき、OODA LOOPは最強のツールとなる。
もう一つ、大切なことは、「悲観的に準備」することは、無駄が多いことだ。それは、小林氏も著書の中で指摘する。準備しすぎて、結局、何も起こらなかったということだ。私も、かつて危機管理部署の先輩から「空振りは大いに結構」と言われてきた。つまり、準備しすぎて、何も起こらなかったこと(空振り)は、危機管理の最優先される「人々の命と安全を守る」ためなら、歓迎すべきことだと言われ続けてきた。
クドいようだが、私達が「何を大切に」し、それを守るため、常日頃から悲観的に準備し、いざというときには楽観的に対処できるようにしておくためにできることは、日常の仕事の中でも意識しておくことが必要だろう。
小林氏によるOODA LOOPの本は、私も共感することが多々あった。多くの人におすすめしたい。
「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」
(引用)OODA危機管理と効率・達成を叶えるマネジメント、小林宏之著、株式会社徳間書店、2020年、124
ビジネスの世界では、PDCAサイクルがよく知られている。しかし、OODA LOOP(ウーダー ループ)は、まだあまり我が国には浸透していない。以前、私もチェット リチャーズ著の「OODA LOOP」(東洋経済新報社、2019年)で初めてその存在を知った。
このOODA LOOPは、アメリカ空軍パイロットのジョン・ボイド大佐が考案したもので、
・観察(Observe)
・状況判断(Orient)
・意思決定(Decide)
・行動(Act)
の4つのフェーズを回していくものだ。
空軍兵士が考えたこともあり、当初は危機管理ツールという意味合いが強かったかもしれないが、次第にスピード重視のビジネスの世界にもOODA LOOPの考えが広まりつつある。
このたびの小林宏之氏による著書は、OODAループを「危機管理」中心に書かれてはいるものの、OODA LOOPの入門書としても十分活用でき、即断即決が求められるビジネス界にも応用が効くものとなっている。
先程の4つのフェーズごとで、それぞれ「何をすべきか」ということが最新の事例によって語られており、危機管理の出発点とされる「何を大切にするのか」といった視点をもとに、小林氏は、OODA LOOPを回していくことを分かりやすく教えてくれる。
最近では、湖北省武漢市が発生源とされる新型肺炎コロナウィルスの感染が広がりつつあり、中国を始めとした経済活動にも大きな打撃を与えている。このコロナウィルスは、もはや対岸の火事ではない。我が国も感染拡大防止のため、関係機関と協力し奔走している。なにも、コロナウイルスは、国に全てお任せではなく、県や市町村が危機の未然防止をし、危機発生時の最悪の事態を防ぐ被害極限対応できる体制を整えることにより、国民、県民、市民からコロナウイルスの感染拡大を少しでも防ぎ、発生した場合は速やかに適切に対処していくことが求められる。
OODA LOOPは、観察から始まる。そして、状況判断をして、意思決定をする。いま、「自分たちの置かれている状況はなにか」、そして、そこから「私達を守るには何をすべきか(危機管理の出発点である「何を大切にするのか」)」を考え、悲観的に(最悪のシナリオを想定して)準備していけばよい。そうすれば、もし、身近でコロナウイルスの疑わしき事例が発生したら、シナリオにそって(シナリオ通りにいかないケースもあるが)、落ち着いて行動を起こすことが肝要だ。
しかし、悲観的と言われれば、そこで終わらないのかもしれない。今後、県内で多数の新型肺炎に罹患した患者が発生した場合、最悪のケースといえば、武漢で見られるように交通機能封鎖の措置がとられ、生活必需品が手に入らなくなることなども想定される。また、学校や会社も機能停止し、病院には、患者があふれかえる。まさに、今、中国でおこっていることが、私達の身近で発生するかもしれない。そのため、私達ができることは、いまの状況をしっかり観察し、あらゆる悲観的なシナリオを想定して、準備し、意思決定をし、行動を起こすことだ。
私もかつて危機管理部署に所属したことがある。そのとき、東日本大震災が発生した。被災地に出向き、津波によって何もかも洗い流されてしまった跡を見て、人間の無力さを感じた。しかし、そんな状況でも、明るいニュースもあった。そのニュースは、いわゆる「釜石の奇跡」と言われ、当時、釜石市内の小中学校の児童・生徒たちは、地震発生時に自主避難して、学校管理下にあった児童・生徒らは全員助かった(生存率99.8%)。なぜ、津波を知らない子どもたちが悲観的な事態を想定して、命を守ることができたのか。それは、群馬大の教授だった片田敏孝先生が、津波からの避難訓練を8年にわたり続けてきたからだ。
その子達は、「率先避難者」として、まず子どもたちが避難することで、大人たちもそれに引きづられる形で避難を始めることもできたという。まさに、観察(大地震発生)、状況判断(津波が来るかもしれない)、意思決定(高台に避難しよう)、行動(周りの人を呼びかけて避難)といった、即時即決を強みとするOODA LOOPがうまく機能した事例だと思った。行動を起こす際、すでに準備ができているから、落ち着いて(楽観的に)対処できる好事例だ。これが、従来のPDCAサイクル、つまり、PLAN「計画」から始めていては、子どもたちは助からなかった。
危機管理は、なにもこのような大きな事例ばかりではない。私達の身近にも、危機管理事案は多く存在する。そのとき、OODA LOOPは最強のツールとなる。
もう一つ、大切なことは、「悲観的に準備」することは、無駄が多いことだ。それは、小林氏も著書の中で指摘する。準備しすぎて、結局、何も起こらなかったということだ。私も、かつて危機管理部署の先輩から「空振りは大いに結構」と言われてきた。つまり、準備しすぎて、何も起こらなかったこと(空振り)は、危機管理の最優先される「人々の命と安全を守る」ためなら、歓迎すべきことだと言われ続けてきた。
クドいようだが、私達が「何を大切に」し、それを守るため、常日頃から悲観的に準備し、いざというときには楽観的に対処できるようにしておくためにできることは、日常の仕事の中でも意識しておくことが必要だろう。
小林氏によるOODA LOOPの本は、私も共感することが多々あった。多くの人におすすめしたい。
2020年2月2日日曜日
1兆ドルコーチ
人に求めるべき最も重要な資質は、知性と心だ。
つまり、すばやく学習する能力と厳しい仕事を厭わない姿勢、誠実さ、グリット、共感力、そしてチーム・ファーストの姿勢である。
(引用)1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え、エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、櫻井祐子訳、ダイヤモンド社、2019年、187
この本は、ジョブズの師であり、アマゾンのベゾスを救い、グーグル創業者たちの伝説のコーチ、ビル・キャンベルの教えをまとめたものだ。
ビルのコーチングの哲学は、何も特異なものではない。ビルの教えは、人間として、当たり前の接し方を心がけるようにというものだ。そして最強のチームを築く。ビルによれ ば、人に求める最も重要な資質は、知性と心と説いている。
その中で、気に入ったフレーズは、「グリット」だ。これは、一般的に「やり抜く力」と言われる。普段、私たちの仕事では、打ちのめされても立ち上がり、再びトライする情熱と根気強さが求められる。昨年、私も自身の仕事で経験した。自分せいで発生した事案ではないのに、課題解決の必要に迫られた。愚痴の一つでも言いたくなったが、家族にも親友にも話せず、それを一切やめて、ただ動いた。その結果、無事、課題が解決した爽快感は何事にも代えがたかった。
ビルの教えを読み進め、武田信玄と共通の思想があると感じた。武田信玄の名言とされる「為せば成る、為さねば成らぬ、成る業を成らぬと捨つる人の儚き」。まさに、ビルの教えの「グリット」につながる。
そして、人を大切にする言葉。武田信玄は、生涯、城を持たなかった。これも信玄の名言とされる「人は城、人は垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」。武田信玄、そしてビルは、その組織に属する人たちの潜在能力を引き上げ、最高のチームを創り上げた。
「1兆ドルコーチ」の本では、各エピソードのあと、その都度、簡単なまとめが記載してある。そのまとめを、私は、職場でも読み返せるように、自身の手帳に書き記しておいた。これらの珠玉の教えは、まるで、ビルがいつも自分に寄り添って、優しくコーチしてくれるような気がしたから。
2020年1月11日土曜日
SDGs経営
⑦共通言語の使用と目的の共有
筆者はこれが最も重要だと思う。SDGsは、世界193カ国の合意のもとで策定されたことから、世界の共通言語としての性格を持つ。
(引用)Q&A SDGs経営、笹谷秀光著、日本経済新聞社、2019年、26
「まだまだ先のことだな」と思っていたが、本書を読んで、「あぁ、あと10年か」という思いに至った。その思いとは、国連が提唱する持続可能な開発目標、いわゆるSDGsの目標年次が2030年とされており、あと、10年しかないということだ。
外務省のホームページによれば、「持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された『持続可能な開発のための2030アジェンダ』にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。」とある。この目標には、貧困、教育、エネルギー、気候変動など17分野のゴール、169の具体的なターゲットが示されており、我が国もSDGsを強く推進している。
冒頭の引用にあるとおり、「Q&A SDGs経営」を著した笹谷氏によれば、SDGsの重要性として、「共通言語の使用と目的の共有にある」としている。これは、それぞれ自分たちの住むまちや我が国が未来永劫、存続していくことを意味していない。共有言語を用い、地球規模で目的を共有することにより、SDGsは、地球全体で取り組んでいこうとするところに大きな意義がある。
笹谷氏によれば、SDGsの日本の進捗度は、調査対象162カ国中15位であると言う。しかしながら、日本は、SDGs目標のうち、ジェンダー平等、気候変動などで課題を残すが、他は非常に頑張っているとも言う。
読後、私は、笹谷氏の著書の巻末にあるSDGsターゲットのキーワード集を眺めてみた。
そこには、貧困をなくすこと、すべての人に健康と福祉を提供すること、質の高い教育が受けられるようにすること、安全な水の供給すること、住み続けられる街づくりをすることなどが列挙されている。これらSDGsのターゲットについては、既に国や各自治体で取り組んでいる項目も多い。例えば、日本では蛇口をひねれば安全で、安心な水が飲めることから、我が国は、世界からみて、まだまだ恵まれていることを改めて実感した。
だからこそ、我が国は、さらにSDGsのリーダー的存在にならなければならない。なぜなら、SDGsのキーワードは、「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one
behind)」からである。
各自治体においては、今一度、SDGsの目標に沿って施策を展開しているかを確認する必要があろう。そして、公民連携などを推進していくことで、より施策を強固なものにし、より一層、強力にSDGsを意識した施策を推進していく必要があろう。また、各企業においても、SDGsを「他人事」ではなく、すべての企業で意識する必要があると思った。
笹谷氏の著書は、SDGsを基本からわかりやすく教えてくれる。地球に優しい自治体、そして企業は、今後も持続していくことだろう。SDGsは、私の尊敬する稲盛和夫氏が常に言われている「利他の心」にも通じているものがある。他人を思い、世界を思うことが、自分たちの住むまち、そして企業、牽いては地球全体の存続につながっていく。
地球上に住む一人ひとりがSDGsを理解し実践していくことが求められる。我々は、すぐにSDGsを意識した取り組みを開始しなければならない。10年後の世界が、安全で安心、そして世界が平和で地球に住む人たちが輝いたものになっていることを思い浮かべながら。
2020年1月4日土曜日
Smart City5.0
会津若松市が取り組んでいる市民主導型のスマートシティプロジェクトは、まさにSociety5.0そのものであると言えよう。ビッグデータプラットフォームを整備し、さまざまなデータを収集・分析。最先端の技術や知識を持つ企業や団体とコラボレーションすることで、オープンイノベーションを起こしている。市民の暮らしを網羅する「エネルギー」「観光」「予防医療」「教育」「農業」「ものづくり」「金融」「交通」の8つの領域をターゲットに、アナリティクス人材の育成にも力を入れている。
スマートシティの実現には、オープンな連携が不可欠だ。なぜなら、特定の企業や団体に限られた協業で得られる成果は限定的になってしまうためである。多岐にわたる市民生活を根本から変え、市民主導型のスマートシティを実現するためには、さまざまなステークホルダーが連携してくことが重要だ。
(引用)SmartCity5.0 地方創生を加速する都市OS、アクセンチュア=海老原城一、中村彰二朗著、株式会社インプレス、2019年、115-116
現在、我が国は、多くの課題を抱えている。少子高齢化、社会保障費の増大、そしてエネルギー問題など。このような高度経済成長期とは違う、新たなステージの到来を受け、ある地方都市では、データとデジタルテクノロジーを駆使して地方創生を図っていこうとする動きがある。あの2011年に発生した東日本大震災からの復興支援策としてスタートした会津若松市のスマートシティプロジェクトである。
意外にも、会津若松市が進めるスマートシティプロジェクトで大切にしている考え方は、鎌倉から江戸時代にかけて活躍した滋賀県の近江出身の商人による「三方よし」である。三方よしとは、「売り手よし」、「買い手よし」、「世間よし」という近江商人の精神をあらわしている。会津若松市では、三方よしを「市民によし」、「社会によし」、「企業によし」と再定義しているが、最先端のテクノロジーを駆使した地方創生を取り組みにおいて、古き良き日本人の精神を置き去りにしていない。
会津若松市に住んでいなくても、スマートシティが実感できるサイトとして、「会津+(プラス)」がある。これは、市民とのインタラクティブな情報共有を目指して、市民一人ひとりの属性情報に沿ってパーソナライズされた市民サービスのデジタル窓口である。言い換えるならば、「必要な情報を必要な人に届ける」というシンプルなものだ。その必要な情報を届けるという仕組みを構築するため、会津若松市では、さまざまなデータを収集・分析している。このデータ収集は、情報提供者が目的を理解して提供する方式、いわゆるオプトイン方式を採用している。また、データの信頼性を高めるため、会津+では、KPIを設けるなどしている。
この会津+のサイトは、市民や事業者だけではなく、外国人観光客にも対応している。私も会津+のサイトを閲覧してみたが、2018年2月からロボットのマッシュくんが答えてくれる「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」も始まっていた。デジタルデバイドを少しでも解消し、どの年代の市民にも、デジタルシフトしていこうとする会津若松市の姿勢を垣間見ることができた。
会津若松市の人口規模は、日本国民の1,000分の1である。しかし、会津若松市が取り組む実証実験や市民オプトインなどは、他の地方都市にも広がっていくことが期待される。それは、冒頭にも掲げた我が国の課題が、どの地方にも当てはまるからである。これらの課題を克服するため、最先端の科学技術を用いたSmart Cityの取り組みは、これからの地方都市に必要不可欠なものであろう。
ただ、単に最先端の科学技術を用いれば、国のいうSociety5.0の社会が生活者や観光客に受け入れられるわけではない。会津若松市の進めるSmart Cityは、そこに住む人たち、そして訪れようとする人たちが「主役」としているところに、あらなた時代の地方創生手法としての希望を感じた。
2020年1月3日金曜日
ブチ抜く力
なお、個人が大きな影響力を持つという点で言えば、今回、私が減量に挑戦した際に一番の学びになったのは「ストイックさは伝播する」という事です。
(引用)ブチ抜く力、与沢翼著、株式会社扶桑社、2019年、305-306
2020年の幕開けと同時に私が読んだ本は、与沢氏の「ブチ抜く力」であった。与沢氏の人生は、波乱万丈だ。大学在学中にアパレル通販会社を起業し、わずか3年半で月商1億5000万円の会社に成長させるも、6年目に倒産。その後、わずかな手持ち資金でネットビジネス界に進出し、現在は投資家として大成功を収めている。
そんな若き風雲児の著書は、令和という新しい時代を迎え、東京オリンピックの開催という記念すべき年の幕開けに相応しい内容であった。
私が一番感心したことは、与沢氏の「ストイックさは伝播する」ということであった。この言葉を目にしたとき、ふと、ピーター・F・ドラッカーのマネジメントにおける「真摯さ」という言葉を浮かべた。真摯さ、つまり、ドラッカーは、integrity(真摯さ)という単語を用い、まず、リーダーに必要なのは、integrityが必要だと説く。まず、自分自身がストイックに、しかも真摯に一つの物事に取り組むことは、周りの人達にも伝わる。その結果、大きな成果が成し遂げられるのではと感じた。
私の知り合いが関わっている、ある経営コンサルタントは、徹底的なプロ意識を持っていて、創業したてのかたたちに24時間365日、メールにて相談を受けているという。彼は、例えそれが深夜であろうと、すぐにレスポンスすることを心がけている。また、彼のアドバイスは、彼自身の過去の苦い経験をもとにしていることも踏まえていることから、「自分ができたので、あなたもできますよ」と、クライアントを勇気づけることも忘れていない。この経営コンサルタントも、与沢氏と同様、ブチ抜く力を持っていて、今後、さらに成功していくのではと感じた。
また、与沢氏によれば、成功者として一番強いと思うのは、「失敗を恐れず、種を蒔き続けられるタイプ」であると言う。まさに、この失敗を怖がり、最初からチャレンジしない人が多い。私も幾度となく失敗をし、苦い経験を積み重ねてきた。しかし、今、振り返れば、その失敗を繰り返してきたことより、身を持って痛みを知ることができ、次のチャレンジに生かしている。
ブチ抜く力とは、圧倒的な成果を出す力のことを言う。その先には、今まで見たことにのない世界が広がっている。そんなことを与沢氏は教えてくれた。
(引用)ブチ抜く力、与沢翼著、株式会社扶桑社、2019年、305-306
2020年の幕開けと同時に私が読んだ本は、与沢氏の「ブチ抜く力」であった。与沢氏の人生は、波乱万丈だ。大学在学中にアパレル通販会社を起業し、わずか3年半で月商1億5000万円の会社に成長させるも、6年目に倒産。その後、わずかな手持ち資金でネットビジネス界に進出し、現在は投資家として大成功を収めている。
そんな若き風雲児の著書は、令和という新しい時代を迎え、東京オリンピックの開催という記念すべき年の幕開けに相応しい内容であった。
私が一番感心したことは、与沢氏の「ストイックさは伝播する」ということであった。この言葉を目にしたとき、ふと、ピーター・F・ドラッカーのマネジメントにおける「真摯さ」という言葉を浮かべた。真摯さ、つまり、ドラッカーは、integrity(真摯さ)という単語を用い、まず、リーダーに必要なのは、integrityが必要だと説く。まず、自分自身がストイックに、しかも真摯に一つの物事に取り組むことは、周りの人達にも伝わる。その結果、大きな成果が成し遂げられるのではと感じた。
私の知り合いが関わっている、ある経営コンサルタントは、徹底的なプロ意識を持っていて、創業したてのかたたちに24時間365日、メールにて相談を受けているという。彼は、例えそれが深夜であろうと、すぐにレスポンスすることを心がけている。また、彼のアドバイスは、彼自身の過去の苦い経験をもとにしていることも踏まえていることから、「自分ができたので、あなたもできますよ」と、クライアントを勇気づけることも忘れていない。この経営コンサルタントも、与沢氏と同様、ブチ抜く力を持っていて、今後、さらに成功していくのではと感じた。
また、与沢氏によれば、成功者として一番強いと思うのは、「失敗を恐れず、種を蒔き続けられるタイプ」であると言う。まさに、この失敗を怖がり、最初からチャレンジしない人が多い。私も幾度となく失敗をし、苦い経験を積み重ねてきた。しかし、今、振り返れば、その失敗を繰り返してきたことより、身を持って痛みを知ることができ、次のチャレンジに生かしている。
ブチ抜く力とは、圧倒的な成果を出す力のことを言う。その先には、今まで見たことにのない世界が広がっている。そんなことを与沢氏は教えてくれた。
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