2018年10月31日水曜日

文明の進化

しかしここで一つ考えなければならないことで、しかもいつも忘れられがちな重大な要項がある。それは、文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増すという事実である。
寺田寅彦 「天災と国防」


寺田寅彦という人は、本当に未来を見据えていた人だと思う。
私たち人間は、文明の進化にあわせ、技術のチカラによって自然の脅威を封じ込めようとした。
しかし、過去の大規模災害において、”人間が自然の脅威に勝る”という幻想は、儚くも脆く、打ち消されてしまった。

そういえば、私の子供のころは、外で遊ぶことばかりで、家の中でインターネットやスマホなどのゲームに没頭することなんて考えられなかった。

現代は、圧倒的なスピードで、マネジメントの神様であるドラッカーが言うところの「顧客の創造」を各々の企業が実践してきたことにより、私たちの生活は、より便利に、より豊かになった。

”いままでこの世に存在しなかったもの”の登場により、私たち人間は、その”もの”に、期待し、頼り、そして生活の一部に組み入れて安心を得ようとしてきた。

しかし、いくら人間の叡智、技術力を結集させても、自然の脅威には、叶わない。

天災は忘れたころにやってくる。

寺田寅彦の警句を胸に、技術のチカラに頼るのではなく、いつの時代にも不変な、そして地道な防災対策をしていくことが肝要である。



危機管理

危機管理は、人間の根幹である。
危機管理教育研究所 代表 国崎信江氏

昨日、お久しぶりに国崎氏とお話しさせていただく機会に恵まれた。
その際、私は、「国崎先生にとって、危機管理とはなんですか」と聞いてみた。
国崎氏は、「危機管理は、人間の根幹である。」と即答してくれた。

その答えを聞いたとき、その言葉が、激しく、私の胸に突き刺さった。

人間が生きていく上では、様々な危機(crisis)にさらされる。
全く危機に出会わなく、一日を過ごす人間など、この世にいないと思う。

危機に出会ったとき、人間は、いかに管理(management)するかが求められる。
危機管理することにより、人間は、幸せに、そして豊かに過ごすことができる。

先のブログにも書いたが、幸福は天から与えられるもの。
その資格を得るため、私たちは、日々、危機管理をしていかなければならない。

危機管理は、人間の根幹である。

この言葉を胸に刻み、今後の人生を歩んでいきたい。


2018年10月28日日曜日

カタストロフィー

普通の地震が「リスク」だとすれば、次に起きるのは「カタストロフィー」、破滅です。
(引用)
次の震災について本当のことを話してみよう。,福和伸夫著、時事通信社、2017年、23頁

発生が懸念されている南海トラフ地震は、これまでの地震の延長線上で考えてはいけないと名古屋大学減災連携研究センター長の福和教授は言われる。

関東大震災の火災、阪神・淡路大震災の家屋倒壊、東日本大震災の津波。それらがすべてやってきた上で、新たな大都市の脆さが連鎖するという。

最大クラスの南海トラフ地震が襲ったとき、内閣府の想定による死者数は32万3000人に上るという。

しかし、日頃からの防災に対する意識を強く持つことにより、私は、迫りくる南海トラフ地震による被害を最小限に抑えることができると考える。

関東大震災のような火災を防ぐには、今後、行政と住民の対話により、災害に強い都市計画、まちづくりが求められるだろう。
また、阪神・淡路大震災のような家屋倒壊を防ぐには、個々の家庭で、耐震診断や家具の固定をしっかりすることが求められるだろう。
東日本大震災のような津波を防ぐには、「釜石の奇跡」のように、すぐに高台に避難するなど、日ごろから津波に対する避難経路を確認しておく必要があるだろう。

震災直後、我々は、生き残った被災者の声をテレビなどを通じて知ることとなる。
しかし、本当は犠牲になられたかたの声なき声を聞く必要がある。
なぜ、その人は亡くなられたのか。そのため、生前に何をすべきであったのか。

そこに、静かに、しかも確実に迫りくる南海トラフ地震への対策の答えがあるはずだ。


2015年7月19日日曜日

デザイン

デザインとは
複雑な問題の本質を一挙に捉え、
そこに調和と秩序をもたらす行為。
美と共感で多くの人の心に訴え、行動を換気し、
社会に幸せなムーブメントを起こす創造的行為。

(引用) 「人口減少×デザイン」 筧祐介著、英治出版、2015年

本書は、人口減少問題に対して、「デザイン」という切り口から迫っている。
理由は、デザインを通じ、「人口減少問題の本質」を捉えること。そして、もう一つは、「地域に問題解決の行動を呼び起こすこと」である。

1億2,800万人いた我が国の2010年人口を100人とすると、2100年には39人(推定人口4,959万人)になってしまう。

なぜ、若者は、結婚し、出産しない(できない)のか。本書は、現代の社会構造の課題について、デザイを駆使し、あらゆる角度から迫り、整理している。

また、後半では、「働き、産み、3人育てられる社会」を目指し、「地域」にスポットを当て、5つの提言をしている。

少子高齢化社会は、我が国の最重要課題である。そして、この問題解決のゴールは、「どうしたら、幸せな社会を構築できるのか」であると思う。

「地方消滅」など過激な言葉も飛び変わっているが、まず、自分たち地域から「何ができるのか」。
5つの提言を深く認識し、一つずつ、周りの仲間たちと取り組んでいきたいと感じた。

人口減少×デザイン

2013年10月15日火曜日

幸福

幸福とは求めるものではなく、与えられるもの
自己のためにすべきことをした人に対して、
天からこの世において与えられるものである。

森信三(哲学者 1896~1992)

(引用) 「学び」を「お金」に変える技術、井上裕之著、かんき出版、2012年

井上氏の本は、ほとんど読んできた。
中でも、この本は、今までの作品を超えている気がする。

今まで井上氏が参加してきた能力開発の数々セミナーのエッセンスが凝縮されている。
北海道の帯広市で歯医者を営む井上氏。一町医者に過ぎない彼が、どうして脚光を浴び、成功したのかが書かれている。

耳勉による時間の効率化なども参考になる。
「学とは何か」その本質に迫った著作である。

2013年10月13日日曜日

父からの手紙

私の尊敬する経営者の一人に南場智子氏がいる。
彼女は、マッキンゼーでパートナーまで上り詰めたのち、DeNAを設立。11年に代表権のある取締役を退任するまで、多くの試練に立ち向かい、ベンチャー企業を一流まで育てた。
また、退任の理由は、病気療養中の夫の看病というところが、また、彼女らしい。

会社設立してから、かなりの失敗を重ね、試行錯誤の末、今のDeNAを育てた。
その全てが「不格好経営 チームDeNAの挑戦、南場智子著、日本経済新聞社、2013年」に赤裸々に綴られている。

この本を読むと、起業の難しさを痛感させられる。
しかし、彼女とそのチームは、星の数ほどの困難を超えてきた。

そんな彼女の父は、怖く、厳格な人であったという。

起業してから実家に送金していた彼女は、あるとき、口座が空っぽで送金が止めてしまう。
そのとき、父から、封筒が届いたという。

陣中見舞いとして贈呈
私生活の貧乏は貴重な体験としてプラス思考で真摯に処されたし。
間違ってもお金のことで公私混同しない事。
生き甲斐は処した困難の大きさに比例する。
                           父より。

「(引用)不格好経営 チームDeNAの挑戦、南場智子著、日本経済新聞社、2013年」

そして、この封筒の中には、結構な額の小切手が入っていたという。

父からの手紙の最後の一文にグッときた。

いつも安心な道ばかりを選んでいないだろうか。
自分という存在を限界まで駆使し、社員や社会のために働くリーダーになっているだろうか。

南場氏の足元にも及ばないが、私も常に自問自答しながら生きていきたい。

南場氏と、そのお父さんに感謝します。





2013年2月20日水曜日

目的

あなたの才能と世界の需要が交わるところに、あなたの目指すべき目的が存在する。
                                         -アリストテレス-

「本当のブランド理念について語ろう、ジム・ステンゲル著、阪急コミュニケーションズ社、2013年」

この言葉に、ハッとした。
才能が高ければ高いほど、世界の需要の高いところで交わる。
そこに、目的が存在する。その目的とは、「利他」の心か。

当たり前のことなのだが、その当たり前のことを、アリストテレスは、わかりやすく教えてくれる。

この本の著者、ジム・ステンゲルはいう。
「最大限の成長を実現することと、高い理念を貫くこと。この二つの要素は、相容れないものではない。むしろ、切っても切れない関係にある」と。

ブランド理念というのは、企業だけではない。個人しかり、非営利団体しかり。

この本は、ブランド理念という切り口であるが、リーダーシップや企業存続の法則などを教えてくれる。何気なくとった1冊であったが、ビジネスマンなら誰しも、興味深い内容であった。