もうそろそろ、人に未来を聞くのはやめよう。
そしてどんな社会を僕らが作り、残すのか、考えて仕掛けていこう。
未来は目指し、創るものだ。
(引用)シン・ニホン AI✕データ時代における日本の再生と人材育成、安宅和人著、株式会社ニュースピックス、2020年、6
安宅さんと言えば、問題解決のバイブル、「イシューからはじめよ(英知出版、2010年)」の著者だ。「適切な問い、解くべき課題、つまりイシューを見出し、整理することが知的生産の核心の一つ」だと安宅さんは言う。その安宅さんが、現在日本の抱えるイシューを見出し、新しい日本への進む道を示す。
我が国では、急速に進展する人口減少問題が課題と言われている。しかし、安宅氏は、豊富なデータを示しながら、その解決策を導いていく。
その解決策に欠かせないのは、本書のサブタイトルになっている「データ✕AI」、そして新たな社会の到来において求められる力を身につける「人材育成力」だ。その人材育成力とは、知覚する力、生命力、そして人間力だ。いくらテクノロジーが進展しようと、人間力は、これからの未来にも通用するのだと感じた。
安宅氏は、Society5.0、そしてSDGsの交点こそ目指すべき領域だと指摘する。しかし、その目指すべき領域においても、主役はあくまでもテクノロジーではなく人間である。これからの時代を生き抜くため、そして我が国を再生するため、多くの方たちに本書をおすすめしたい。