「どうすれば自分らしく考えられるようになるのか?」
これが、この本で考えていきたいテーマです。
(引用)考える人のメモの技術 ―手を動かして答えを出す「万能の問題解決術」、著者:下地寛也、発行所:ダイヤモンド社、2022年、2
最近、私は自分なりの知的生産術にハマっている。その知的生産術を試行錯誤する中で、どうやって日常に溢れるニュースや記事などを収集し、分析し、アウトプットするのか。そして、私はアウトプットする際、そのニュースや記事などから、どのように自分は考え、行動に移せるのかを探究していた。
そんなことを思っていた矢先、最寄りの図書館で「考える人のメモの技術(ダイヤモンド社、2022年)」に出会った。著者は、Campusのノートで有名なコクヨの社員であるという。私は、文房具を知り尽くした社員さんによる知的生産術とはどのようなものか、大変興味が湧いたので、図書館で借りることにした。
さすが文房具メーカーの社員さんだけあって、メモの技術は、大変役に立つものばかりであった。まず、なぜメモを取るのかといった基準から始まり、どう書くべきか、そしてどう使うのかといった話に及ぶ。そして、インプットメモとアウトプットメモの2種類を使い分け、単にインプットに終わらない技術が紹介されている。
まず、インプットメモで感心させられたのは、「気づきを加えると、自分ごとになる」ということである。本ブログの冒頭にも記したが、日ごろ私は、あるニュースや記事に接して、それを自分らしく考え、実行に移すことが大切であると感じている。これは、確か、大阪府知事や大阪市長を歴任された橋下徹さんも同様のことを言われていたと思う。また、私もよく携帯のアプリ「News Picks」を利用しているのだが、「News Picks」では、それぞれのニュースや記事に対して、専門家や著名人による解説や意見が寄せられてくる。その解説や意見によって、私たちは、そのニュースや記事の持つ意味や背景を理解することができ、世論を見据え、自分がどのように行動すべきかが見えてくるのではないだろうか。
また、アウトプットメモについては、「コピー用紙の裏側でもいい」と著者の下地さんは言われる。このようにアウトプットについては、メモの体裁にとらわれないが、下地さんが提唱する「ノート3分割法」は、とても役に立つ方法であると感じた。早速、自分自身の仕事にも活用していきたいと思った。
ここで、問題になるのが、手書きをする場合、紙によるメモか、Ipadかということである。私の大学生になる子どもは、Ipad派であり、Good Notesを駆使している。その息子の姿を傍から見ていると、自分も専用のIpadが欲しくなり、ノートやメモとして使いたくなる。
しかし、Ipadにもデメリットはある。下地さんも触れているが、私はIpadをノートとして活用することにより、一覧性(スクロールをしないと全体が見られないような場合がある)といったことやブルーライトの影響が心配だ。ただ、Ipadを使うメリットもある(携帯性や検索性)ため、引き続き、Ipadの活用も考えていきたいと思った。
とにかく、下地さんの本を拝読すると、すぐに実行したくなる。早速、私は、本書で紹介されていたCampusのメモパッド(A4横サイズ)を購入して活用してみた。今まで存在すら知らなかったメモパッドだが、思いのほか、使い勝手がよかった(余計にIpadの購入が遠ざかりそうな気もするが)。
また、下地さんの短期的・中期的なメモ基準を参考にして、自分なりの基準も考えてみた。この基準により、自分がこれから収集し、自分なりに活用していくためのテーマやカテゴリーが明確になってくる。これにより、今後は、プライベートのテニス技術習得のこともメモされていきそうだ。
たかがメモ、されどメモ。知的生産には欠かせない、メモの奥深さを知る一冊であった。