2012年9月7日金曜日

よく聞け

よく聞け、
金を残して死ぬ者は下だ。
仕事を残して死ぬ者は中だ。
人を残して死ぬ者は上だ。
よく覚えておけ。

 後藤新平 

PRESIDENT,2102.4.2,プレジデント社

後藤新平は、内務大臣、東京市長などを歴任し、関東大震災の復興を担った。
今日の東京を作った後藤新平は、東京市長になったとき、次のことを言ったという。
「自治はよそにない。東京市民の中にある」と。

世界都市、東京。
後藤新平は、そこに暮らす人たちに焦点をあてた都市計画を行ったからこそ、いまもなお、多くの人たちを魅了してやまない。

「人を残す」ということは、世代が移り変わっても、その暮らしが、そのまちが、発展し続けるということだ。


2012年9月4日火曜日

これからの日本に必要なこと

必要なのは、将来に芽が出そうな人材や産業に投資すること。
既得権益で守られた産業などを囲む障壁をなくし、未来につながる投資もするべきだ。それはお金を使わなくてもできる。規制緩和などを進め、活力ある人たちの邪魔をしないことが重要だ。

(引用)三菱総研チーフエコノミスト 武田洋子 2012年9月2日 中日新聞朝刊

本日の日本経済新聞を読むと、文部科学省によれば、この春の卒業生のうち約8万6000人は就職していないという。なかでも3万3000人ほどは、その準備すらしていないという。

昨年3月11日、東日本大震災があった。
働きたくても、働けない人がいる。
私の知り合いは、福島から避難してきた。
そして、ようやく、ある小売店の仕事を見つけることができた。

我が国は、猛烈なスピードで少子高齢化社会へと突入している。
労働力人口が減少する中、もはや、貴重な若者の労働力を無駄にすることはできない。
NPOなど、従来にない、新たな分野が誕生し「新しい公共」ともまで言われているようになってきた。
私の知り合いにも、NPOで生計を立てている者がいる。

一流の大学に入り、一流企業に就職する。

そんな、一昔前の、ありきたりのレールをとっぱらい、成熟した社会で育つ若者は、多様な働きかたを模索しているのではないだろうか。

現在、我が国の経済情勢は厳しいかもしれない。
しかしながら、何か探せば、自分にあう仕事があるはずだ。
若者よ。将来の日本は、君たち、一人ひとりの肩にかかっている。
さあ、ともに働こう。そして、大きな夢をもとう。




2012年9月3日月曜日

津波てんでんこ

東北地方には、「津波てんでんこ」という言葉がある。
津波が来たときは、親や子供たちに構わず、てんでんバラバラに逃げなさいということだ。

9月1日に放映された、NHKスペシャルにて、群馬大学の片田敏孝教授が次のようなことを言っていた。

確かに、「津波てんでんこ」という言葉は、ある意味、無情に感じる。
普通、災害にあったとき、まず、親は子供を探そうとし、子供は親を探そうとする。
「津波てんでんこ」の教えは、その行為を、一切否定しているからだ。

だが、あえて、親は、子供を信頼して逃げる。
子供は、親の迎えを待たず、信頼して逃げる。

生きていれば、また会えると信じて。
それが、先人たちが残してくれた「津波てんでんこ」の本当の意味だと思う、と。

災害が来る前から、いかに親子の関係を築けるのか。
普段からの備えが、信頼を生む。

実際、釜石市でも、親は子供を、そして子供は親を信じて、それぞれの場所から、一目散に津波避難所に逃げ、再会できたケースがあった。

先日、南海トラフにおける巨大地震の被害想定が発表された。
死者、最悪のケースをたどれば32万人。
しかし、死者32万人は、人々の避難行動によって、減らすことができる。

それは、釜石の子供たちが起こした避難3原則、

①想定にとらわれるな(ハザードマップを信じてはいけない。それを超えた災害が発生するかもしれないから)
②最善をつくせ(今置かれた状況でベストを尽くす)
③率先避難者たれ(まっさきに逃げることにより、ほかの人たちもついてくる。結果的に多くの人を助ける)

の実践にほかならない。

自分が被災しなければ、ほかの人を助けることができる。
災害大国日本において、少しでも私たちができること。
それは、ただ、最善を尽くして逃げるしかない。
逃げることを実践すれば、悲劇を最小限に食い止めることができる。
そんなことを、釜石の子供たちは、身をもって教えてくれた。

つぎの巨大地震が発生したとき、
第ニの「釜石の奇跡」を起こすのは、私たちだ。



2012年9月2日日曜日

みえない星

空の奥には 何がある
空の奥には 星がある
星のおくには 何がある
星のおくにも 星がある
眼には見えない 星がある

金子みすゞ 「みえない星」より

先日、ある喫茶店のお手洗いに行ったとき、
この詩が貼ってあった。

夜空、私たちが見上げることができるのは、ほんの一部の星たち。
その星たちが奥へと続き、宇宙が無限に続く。

そして、その星たちは、私たちに気づかれることなく、そっと、地球を照らしてくれている。
そう、私たちも、無限に続く宇宙の一部なのだ。

しかしながら、私たち人類は、その地球の環境を破壊し、温暖化を進行させている。

全てに優しくしなければならない。

地球にも。そして、宇宙にも。

私たち人類も、宇宙の構成員の一員である。

あらためて、金子みすゞが、今を生きる私たちに教えてくれた気がした。