普通の地震が「リスク」だとすれば、次に起きるのは「カタストロフィー」、破滅です。
(引用)
次の震災について本当のことを話してみよう。,福和伸夫著、時事通信社、2017年、23頁
発生が懸念されている南海トラフ地震は、これまでの地震の延長線上で考えてはいけないと名古屋大学減災連携研究センター長の福和教授は言われる。
関東大震災の火災、阪神・淡路大震災の家屋倒壊、東日本大震災の津波。それらがすべてやってきた上で、新たな大都市の脆さが連鎖するという。
最大クラスの南海トラフ地震が襲ったとき、内閣府の想定による死者数は32万3000人に上るという。
しかし、日頃からの防災に対する意識を強く持つことにより、私は、迫りくる南海トラフ地震による被害を最小限に抑えることができると考える。
関東大震災のような火災を防ぐには、今後、行政と住民の対話により、災害に強い都市計画、まちづくりが求められるだろう。
また、阪神・淡路大震災のような家屋倒壊を防ぐには、個々の家庭で、耐震診断や家具の固定をしっかりすることが求められるだろう。
東日本大震災のような津波を防ぐには、「釜石の奇跡」のように、すぐに高台に避難するなど、日ごろから津波に対する避難経路を確認しておく必要があるだろう。
震災直後、我々は、生き残った被災者の声をテレビなどを通じて知ることとなる。
しかし、本当は犠牲になられたかたの声なき声を聞く必要がある。
なぜ、その人は亡くなられたのか。そのため、生前に何をすべきであったのか。
そこに、静かに、しかも確実に迫りくる南海トラフ地震への対策の答えがあるはずだ。