2019年7月27日土曜日

実行力

部下がこれまで「絶対にできない」と思っていたこと、部下にとっての長年の懸案、こうしたものを解決することによって、「最初の衝撃」を与えることが重要だと考えたのです。マキャベリも名著「君主論」において、「統治者は最初に衝撃的な大事業を行うべき」という意味のことを語っていますね。
(引用)  実行力 結果を出す「仕組みの作りかた」、橋下徹著、PHP新書、2019年、84

本書は、大阪府庁1万人、大阪市役所3万8千人の組織を動かしてきた橋下氏が、どのように考え、行動し、結果を出してきたかという「仕組み」の作りかたを纏めたものである。
本書を読み進め、読者の対象となるのは、必ずしも自治体の首長のみではないと感じた。

例えば、冒頭の引用文。これは、何も首長に限ったことではない。私も人事異動のたびに、その異動先に何の課題が存在しているのかを把握するところから始める。
そして、異動先の職場が抱えていた課題に対し、私も橋下氏と同じだなと感じたことは、現状が悪いのであれば、ますはこれまでの方針の全否定から入ることだ。このことを橋下氏は、「逆張りの法則」と呼んでいる。
そして、新しい職場環境でいち早く、逆張りの法則によって見つけ出した方針を示し、実行する。ミドルリーダー以上の職員なり社員は、そのことを心掛けてインパクトを与えることが必要だと思う。
その姿勢を見せ、実際に結果を出す。これこそが、リーダーだと橋下氏は言いたいのだろう。

ほかにも、本書には、橋下氏自身が経験し、当時の実例を交えながら、具体的かつ現実的に巨大組織を動かすためのプロセス、そしてリーダーの在り方が描かれている。
自治体職員をはじめ、民間事業者で働く多くのミドルリーダー以上のかたに薦めたい一冊である。











2019年7月22日月曜日

思考の道具箱


現状を維持するためには、周囲の変化に合わせて進化しつづけなければ、生き残ることはできない。

Think clearly、ロルフ・ドベリ著、サンマーク出版、2019年、355



人生を歩むとき、日々、様々な出来事に遭遇し、その出来事に対して思考を張り巡らし、決断することを迫られる。

例えば、普段の買い物から始まり、読書の仕方、簡単な頼みごとを引き受けるかどうかなど。

本書は、そんな身近な話題から、人生の成功、さらには死に至るまで、人生に必要不可欠な「思考」のアドバイスを提供してくれる。



冒頭に記した本書の言葉を聞いて、私は、進化論を唱えたダーウィンの名言とされるものを思い出した。



生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。



本書では、「変化合わせて進化する」ということは、「不毛な争いを避ける」という意味で使われている。

つまり、あなたがその第一人者であり、なおかつ軍拡競争とも無縁でいられる分野を見つけることができれば、競争に巻き込まれず、不毛な争いを避けることができるのだという。

本書では、このような52の人生に役立つ思考法が散りばめられている。



私は、あまりこの手の本を読まない。

しかし、本書は、今まで歩んできた人生の考え方がこれでよいかを確認できた。

そして、この本を読んで、残りの人生、楽に生きられるような気がした。

ぜひ、多くの人におすすめしたい。




2019年7月7日日曜日

チームを最強にする「ABCDEの魔法」


私の人生で最も誇れるもの。
それはメンバーたちと一緒につくってきたチームです。
私たちのチームはどんなに高い目標でもあきらめません。
私たちのチームは誰かが苦しんでいたら、誰かが支え、助けます。
私たちのチームは自分たちが世界を変えると、全員が本気で思っています。

(引用)
THE TEAM 5つの法則、麻野耕司著、株式会社幻冬舎、2019年、15


本書は、著者自身の経験やコンサルの知見をもとにまとめられたチームの法則
私は、A(目標設定)B(人員選定)、C(意思疎通)D(意思決定)E(共感創造)と進んでいくうちに、最強のチームになることを知った。

まず、チームとは何か。
2人以上集まり、「共通の目的」を目指せば、全てチームだ。
チームとは、家族にはじまり、小学校の通学団、町内会やPTA、民間事業者や非営利組織に至るまで、私たちの身近にも多く存在する。

本書は、普段、関わっている身近なチームを念頭に読み進めていくと良い。
「なるほどな」と思われるフレーズに幾度となく、出会えることができる。
また、この本は、チームの法則ではあるが、リーダーのためのものでもある。
まさに、AからEに至るまで、リーダーによる役割は非常に大きい。

さらに、本書では、著者自身がAからEまでを職場で実践し、チームの強化を図った事例も掲載されている。具体的な手法も掲載されており、成果をあげていることから、説得力も増している。

チームの法則、
つまり、「ABCDEの魔法」は、あらゆるチームを最強にすることが分かった。