2021年6月19日土曜日

LIMITLESS 超加速学習

 教育の真の目的は、絶えず問いを問う状態に人を置くことである。
                  マンデル・クレイトン主教
(引用)LIMITLESS 超加速学習 人生を変える「学び方」の授業、著者:ジム・クウィック、訳者:三輪美矢子、東洋経済新報社、2021年、89

「超加速学習」。
このタイトルに惹かれて、ジム・クウィック氏の本を拝読した。
まず、私が気にしたことは、「この本は、学生(受験生)向けのものなのか?」ということだ。つまり、社会人の私にも、本書は役に立つかどうかということだった。
次に私が気にしたことは、「この本は、本当に超加速で学ぶことができるのか?」ということだった。いま、ジム・クウィックさんの本を読み終えて、この2つの質問は、ともに「YES」と言える。

確かに、本書は、数多くの「学び方」について、触れられている。
例えば、ノートのとり方や、読書の仕方など。
確かに本書では、超加速学習をする上でのスキルを多く学ぶことができる。

しかし、本書のサブタイトルは、「人生を変える『学び方』の授業」となっている。
「人生を変える」とは、少し大袈裟な気もしたが、冒頭に引用した言葉に出会ったとき、私は、ハッとさせられた。
今まで私は、教育の真の目的について、考えたことがなかった。
確かに、人生は、「問い」の連続かもしれない。
いま、私が本を読み続けていることも、ほかの習慣についても、自分自身の「支配的な問い」が存在しているからに他ならない。
この「支配的な問い」を問い続け、実行することで、物事の理解が深まり、超加速学習が可能となる。人生の目的とも言うべき、「支配的な問い」は、学生や社会人に関係なく、学び続ける意義の根幹であると感じた。

本書では、3つのM、すなわちマインドセット、モチベーション、メソッドが存在する。この3つのMが重なるところに「リミットレス」があり、そこで初めて「統合」の状態、つまり全ての条件が満たされた状態になる(本書、37)。
その中で、私が重視したいのは、学習することによって、「その経験にやりがいを感じる」ことだ。本書では、瞑想や呼吸法についても触れている。まず、ストレスを排除し、気持ちを落ち着かせ、モチベーションを上げる。そして、自分の「支配的な問い」に基づき、学習することにやりがいを感じていくことが重要であると思った。このことは、社会人でも、大いに役に立つかということだ。

ジム・クウィック氏も「世界の成功者は一生を通じて勉強している」と断言している(本書、265)。いま、私は、自分の仕事でも、学ぶことが多い。それは、一見、専門外と思われる仕事内容も、リンクしてくることも多い。また、最新の情報や知見を得るべく新聞や書籍を読み、さらに他の分野にも広げながら、応用し続けている。

学生の皆さんも忙しいとは思うが、社会人も多忙を極める。
私も知識や学ぶことは、休日の限られた時間になることが多い。
そのような状況において、超加速学習のスキルを学ぶことは、社会人にとっても意義のあることであった。

リミットレスな人になろう。

本書を読んで、そう、思った。