2019年1月27日日曜日

地方の魅力

フランス料理が美味しいのは、地方料理が美味しいから。

地方の風土にあったものがいっぱいある。
地方には、ものすごく魅力がある。
これを掘り起こせばいい。

サザコーヒー社長 鈴木誉志男
(引用)2019年1月17日放映 カンブリア宮殿 テレビ東京系 

サザコーヒー(茨城県)は、とにかく美味しいコーヒーを追求し、コロンビアにもコーヒー農園を所有するほどだ。

社長の鈴木さんは言われる。「生産性と美味は反比例する」と。

この言葉からもわかるように、豆の選定から徹底的にこだわり、コーヒー一杯のために全力を注ぐ。

また、サザコーヒーでは、地元の大子町のリンゴを使ったタルトを提供したり、笠間焼の手洗いシンクを使ったりしている。そう、極力、地元のものを使うことにも固執しているのだ。

なぜ、サザコーヒーは、地元の茨城にこだわりつづけるのか。

普段、何気なく暮らしていると、自分たちの住むまちの魅力がわからない。
しかし、私たちが住むまちにも、魅力あるものは多く転がっている。それをどう気づき、掘り起こし、提供していくのか。そして、提供された側は、その地方の魅力を感じ、幸福感を満たしていくことに繋がっていくのだろう。

地方都市にとっては、これ以上のエールはない。
どの地方都市にも必ず魅力あるものは、眠っている。
このように確信し、あとは掘り起こすだけだ。

「いま、私たちの住むまちは、どのような魅力があるのだろう。」
「私たちは、なぜここに住み続けるのか。それは、どのような魅力があるからだろう。」

私たちは、地元の仲間たちと、このように問い続けることが必要ではないだろうか。

私もコーヒーが大好きだ。
一日に2杯飲まないと、気が済まない。

実は昨夏、私は、茨城を訪れた。
しかし、その時には、恥ずかしながら、サザコーヒーの存在を知らなかった。

また、いつか茨木を訪れよう。
コーヒーを楽しみに。そして、茨城の魅力を十分感じるために。


2019年1月26日土曜日

SDGs2

(通勤・通学の交通手段で)自動車分担率が2割、観光客のマイカー利用率に至っては8割近く減少した。
                                 京都市長 門川大作

(引用)日本経済新聞社 2019年1月21日付

先のブログで記したが、日経グローカルにより、SDGs先進度総合ランキングで京都市が1位に選ばれた。
京都では、四条通で歩道を広げて車道を2車線に半減させたことが、自動車からの排ガス量を抑制し、大きく環境保護の面で貢献した。

しかし、自動車の交通量を減らすことは、何も環境保護の恩恵をもたらすだけではない。

交通事故死者数は、30年間で約70%ほど減少している。しかし、75歳以上による死亡事故は減少していないという。

都市では交通インフラが発達しているが、地方都市では、高齢者も移動手段として自動車が必要になってくる。必然的に、地方都市では、高齢者の免許返納率も低くなる。

自動車の交通量を減らすということは、都市機能の集約化や交通インフラ整備が求められてくる。また、京都市では、自動車の交通量が減少し、慢性的な渋滞も緩和したことにより、観光推進にも役立っているという。

このように京都市では、公共交通量を減らしたことにより、環境×インフラ整備×まちづくり×観光などの相乗効果が産まれている。

これもSDGsの一つの大きな特徴といえるのではないだろうか。

釜石市では、SDGsを踏まえ、「オープンシティ戦略」を掲げた。
http://www.city.kamaishi.iwate.jp/shisei_joho/keikaku_torikumi/chihousousei/detail/1197597_3278.html

既に各地方公共団体でもSDGsを意識した総合計画、戦略立案、そして事業の推進がなされはじめている。

「いま、私たちの事業は、SDGsを意識したものになっているだろうか。」
「これらの事業は、将来的にも持続可能な社会に貢献したものになっているだろうか。」

そう、問いながら地方公共団体職員は、事業を進めていく必要があるだろう。

SDGs1

「SDGsは自治体にとって課題発掘のツールである。」
政府の自治体SDGs推進評価・調査検討会 村上周三座長
(引用)2019年1月21日(月) 日本経済新聞、朝刊

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称である。これは、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標のことをいう。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html


SDGsでは、先進諸国も含む目標として17ゴールと169ターゲットが掲げられている。

「日経グローカル」355号によれば、全国815市区への調査から都市のSDGs先進度を評価したところ、京都市が1位に選ばれた。

京都市の中心部の四条通は、歩道の幅を3・5メートルから6・5メートルに広げ、車道を2車線に半減させた。その結果、車の交通量が4割減ったという。先日、私も京都にいたが、多くの外国人を含め、車の数よりも歩行者の人数が多い印象を受けた。

このように、京都市では、観光客などの増加による交通渋滞を受け、人と公共交通優先の社会にカジを切ったことが温暖化対策につながったという。このことが主として、京都市が1位に選ばれた理由だ。

また、政府は2017年12月に「ジャパンSDGsアワード」を発表し、パートナーシップ賞として北九州市が選ばれた。今回の日経グローカルのランキングにおいても北九州市は、2位に位置する。

京都市については、次の私のブログに譲るとして、北九州市はかつて、郊外のため、大気汚染や水質汚濁が問題となったことがある。しかし2011年12月に国から「環境未来都市」に選定され、市民や企業とともに主として環境問題に取り組んできた。

また、持続可能な開発のための教育であるESDも盛んであり、特に近年では、官民が中心となって、発展途上国に対して安全な水を提供する「水ビジネス」にも取り組んでいる。

当初、私は、SDGsのゴールとターゲットを見たとき、発展途上国に対してのものであり、私たちの国に住む人たちは関係ないものであると思った。しかし、よくよく見ると、一つひとつのターゲットは、大変よく吟味されて設定されており、納得させられるものばかりである。つまり、SDGsのターゲット、ゴールは、これからも持続可能な社会を創るため、先進国にも求められるものだ。
そのため、私たちの課題発掘にも十分役に立つツールである。

さらに、SDGsのターゲットを見ていくと、地方公共団体(自治体)は、日本の一構成員であり、世界の一構成員であると思わずにはいられなくなる。

これからの時代、地方公共団体の責務としては、日本の構成員のみならず、世界の構成員としての自覚を持ち、グローバルな責任を負うことが求められてくると強く感じた。



※参考

〇北九州市SDGsクラブ
http://www.city.kitakyushu.lg.jp/kikaku/02000160.html

〇北九州市海外水ビジネス推進協議会
http://kowba.jp/

2019年1月19日土曜日

夢や目標を持つということ

よく大人が若い人に、夢を持ちなさい、目標を持ちなさいって言いますよね。
あれに僕は首をかしげる。
夢を持てば、目標を持てば、がんばって何かになれる。
ということは、実は無いんだ。
今、自分がしていることを全力ですること。
目の前のことをきちんとこなそうとすること。
そのこと自体が夢であり目標であると、そう僕は思っているんです。

大棟耕介
(引用) 地球の名言 http://earth-words.org/archives/8574

今日は、大棟耕介氏の講演を聞く機会に恵まれた。
彼の講演を聞くのは、これで二度目だ。私は、いつかもう一度、彼の話を聞きたいと思っていた。その夢が、今日、叶った。それだけ、彼の講演は、クラウンの実演も交えることから面白く、そして熱い。

そう、彼の職業はクラウン(道化師)。大棟氏によれば、アメリカやヨーロッパでは、クラウンという職業の社会的地位が非常に高いという。クラウンという職業は、よく「ピエロ」と勘違いされる。ピエロというのは、演劇の中の役柄名であり、個人名である。つまり、日本人がピエロと呼んでいるのは、クラウンの中の一つの役名のことだ。

サーカスを見るとわかるが、クラウンは、相手を主役に立て、自分は、脇役に徹する。そして、脇役に徹しながら観客から笑いを引き出す。そして、クラウンの神髄は、「その場の空気を変える」ことにあるそうだ。だから、クラウンは、サーカスなどでも一番の高給取りであるという。

彼のすごいところは、時間があれば病院に出向き、病魔と闘う子供たちを励まし続けていることだ。

小児病棟では、四六時中、白い壁に囲まれ、入院している子供たちは、外出することが許されない。また、講演では、大棟氏のホスピタル・クラウンの活動を紹介する映像も拝見したが、薬の副作用で髪の毛が抜け落ちていき、顔も腫れてしまっている小学生の女の子もいる。そんな子供たちが過ごす暗い病院に、一たび、クラウンの彼が訪れると、その場の雰囲気が明るくなり、子供たちの表情が一変する。最初は、人見知りだった子供たちも、今や、彼が訪れると、担当医も聞いたことのないような大きな笑い声が病院に響き渡る。
まさに、私は、ここが重苦しい病院ではなく、普段の家で過ごしているかのように、クラウンである彼が「空気を変えた」ことによるものだと思う。

本日の講演会では、最後に質問コーナーがあった。その際、客席から「今後の夢」について聞かれた大棟氏は、このブログの冒頭に記したようなことを回答していた。
そして、目の前のことを一生懸命していれば、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨の被災地などにも呼ばれるようになり、苦しい空気を変え、より多くの人を勇気づけられるようになったという。
そして、ついに、彼は、本場アメリカのクラウン大会で金メダルを受賞するまでになった。

大棟氏は、目の前の仕事を全力で取り組み、今日という一日を真剣に生きているからこそ、それ自体が自分の夢になっていく。

まさに、冒頭の言葉通りだ。そして、その夢は現実のものとなる。

しかし、そこで彼の夢は終わらない。
今度は、ギネスブックにも挑戦していくそうだ。

日々を真剣に生きる彼の夢は、どこまで進化していくのだろう。
私は、また、いつの日か、彼の三度目の講演が聞けることを楽しみにしている。

2019年1月12日土曜日

ラショネール(rationale)

グーグルでは、「自分はなぜ、その行動をするのか」という合理的説明を「ラショネール」と呼んでいました。
何か新しいことを始めるときに、「なぜそれをするのか」を合理的に説明できれば「やってよし」というのがグーグルの文化です。

どこでも誰とでも働ける 12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール、尾原和啓著、ダイヤモンド社、2018年、78

日々の仕事をするうえで「ラショネール」は欠かせない。
これは、どんなに小さな仕事でも、上司などに対して「ラショネール」が求められるからだ。

では、具体的にラショネールとは何か。
なぜ、その事業がいま必要なのか。それをすることによって、どのように変わるのか。そして、そのことによって恩恵を受けるのは誰なのか。また、費用対効果は。
このように、「合理的説明」を構成する要素は、複数存在する。
また、それらの説明は、数字など、説得力のある材料を求め、具体的に用いたほうが良い。
さらに、私は、「合理的説明」をする際には、ストーリーも大切だと思っている。
そうしなければ、途中で上司などから質問攻めにあったとき、自分の考えがブレるからだ。
ラショネール力を磨くのは、やはり経験を積み重ねること。普段の自己啓発と日々の仕事の中から得ていけばよい。

そして、私は、事業をするうえで、もう一つ欠かせないのは、アカウンタビリティ(説明責任:accountability)だと思う。
特に、公的機関は、少子高齢化の荒波が押し寄せることから、ラショネール的な事業の施策推進が求められる一方、常にアカウンタビリティが求められる。

常に時代を敏感に察知し、そして事業を推進しているグーグル。その企業文化ともいえる「ラショネール」的な進め方は、今後の多くの事業所、そして公的機関にも参考になるものだと感じた。


2019年1月11日金曜日

強み、そして成長

自分の強みをつくったり、自分を成長させたりするときに、いちばん簡単なのは、何かが始まる場所にいることです。

どこでも誰とでも働ける 12の会社で学んだ”これから”の仕事と転職のルール、尾原和啓著、ダイヤモンド社、2018年、152

私は、この言葉がすーっと胸に入ってきた。20年を超える自分自身の仕事生活を振り返ってみると、幸運にも、幾度となく、大きな事業の”立ち上げ”の機会に恵まれた。まさに、「何かが始まる場所」にいた。
そしてその場所は、私に”強み”と”成長”を与えてくれた。

しかし、大きな事業を立ち上げるということは、相当のエネルギーが必要である。また、必ずハレーションが起こる。

サラリーマンであれば、同じ給料なのにどうして私だけ何かをしなければならないのか、と考えたこともある。
何もしなければ、そのまま時は過ぎていく。そして、そのほうが評判があがることもある。なぜならば、一つ間違いを起こせば、減点になる。だったら、何も生み出さず、「そのまま」にしておくのも一手だ。
しかし、それでよいのだろうかと思っていた。

尾原さんは、今まで私が抱えてきたモヤモヤした気持ちを一言で払拭してくれた。
この言葉は、かつて尾原さんが在籍していたリクルートの社訓、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」から芽生えたものか。

人生で最も多くの時間を割く”仕事”をするということ。ならば、その時間を有意義に過ごし、そしてそれが人々への貢献につながり、ひいては自分自身の成長につながっていく。

一度きりの人生、そんな嬉しいことはないだろうと思うのだが。