「SDGsは自治体にとって課題発掘のツールである。」
政府の自治体SDGs推進評価・調査検討会 村上周三座長
(引用)2019年1月21日(月) 日本経済新聞、朝刊
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称である。これは、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標のことをいう。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
SDGsでは、先進諸国も含む目標として17ゴールと169ターゲットが掲げられている。
「日経グローカル」355号によれば、全国815市区への調査から都市のSDGs先進度を評価したところ、京都市が1位に選ばれた。
京都市の中心部の四条通は、歩道の幅を3・5メートルから6・5メートルに広げ、車道を2車線に半減させた。その結果、車の交通量が4割減ったという。先日、私も京都にいたが、多くの外国人を含め、車の数よりも歩行者の人数が多い印象を受けた。
このように、京都市では、観光客などの増加による交通渋滞を受け、人と公共交通優先の社会にカジを切ったことが温暖化対策につながったという。このことが主として、京都市が1位に選ばれた理由だ。
また、政府は2017年12月に「ジャパンSDGsアワード」を発表し、パートナーシップ賞として北九州市が選ばれた。今回の日経グローカルのランキングにおいても北九州市は、2位に位置する。
京都市については、次の私のブログに譲るとして、北九州市はかつて、郊外のため、大気汚染や水質汚濁が問題となったことがある。しかし2011年12月に国から「環境未来都市」に選定され、市民や企業とともに主として環境問題に取り組んできた。
また、持続可能な開発のための教育であるESDも盛んであり、特に近年では、官民が中心となって、発展途上国に対して安全な水を提供する「水ビジネス」にも取り組んでいる。
当初、私は、SDGsのゴールとターゲットを見たとき、発展途上国に対してのものであり、私たちの国に住む人たちは関係ないものであると思った。しかし、よくよく見ると、一つひとつのターゲットは、大変よく吟味されて設定されており、納得させられるものばかりである。つまり、SDGsのターゲット、ゴールは、これからも持続可能な社会を創るため、先進国にも求められるものだ。
そのため、私たちの課題発掘にも十分役に立つツールである。
さらに、SDGsのターゲットを見ていくと、地方公共団体(自治体)は、日本の一構成員であり、世界の一構成員であると思わずにはいられなくなる。
これからの時代、地方公共団体の責務としては、日本の構成員のみならず、世界の構成員としての自覚を持ち、グローバルな責任を負うことが求められてくると強く感じた。
※参考
〇北九州市SDGsクラブ
http://www.city.kitakyushu.lg.jp/kikaku/02000160.html
〇北九州市海外水ビジネス推進協議会
http://kowba.jp/