2019年11月4日月曜日

コリン・パウエルの教訓

なにごとも思うほどに悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。

(引用)コリン・パウエル リーダーを目指す人の心得、トニー・コルツ著、井口耕二訳、飛鳥新社、2012年、13

先日、雑誌「PRESIDENT(プレジデント)」を読んでいたら、「『人間の器』を広げる1冊」という特集が組まれており、官房長官の菅義偉氏のバイブルが紹介されていた。
その中で、菅氏は、コリン・パウエルを描いた著書をバイブルとしてあげ、パウエルが考案した13ヵ条のルールの一つである「なにごとも思うほどに悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。」という言葉に助けられたというエピソードを紹介していた。

実は、私も幾度となく、この言葉に助けられた。コリン・パウエルや菅氏のような国家的な問題ではないが、それなりに大きなトラブルは、私にも容赦なく襲ってくる。詳細を話すことはできないが、最近でも、周りから「できない」と言われ続け、自分を追い込み、背水の陣をしいて挑んだ仕事の案件がある。結果的には、上手くいったが、そのとき、私を支えてくれたのは、何を隠そう、パウエルのこの言葉であった。

なぜ、この言葉が支えになったかと言うと、突如、襲ってくる仕事上のトラブルや問題は、出会った直後、途轍もなく大きく、途方に暮れることがある。そのとき、少し、時間を置くということも大切だ。そうすると、時の流れとともに、徐々に抱えていたトラブルや問題が自身の中で次第に小さくなっていき、僅かながらの希望の光が差してくるといった経験を幾度となくしてきた。また、この言葉は、ストレスフルなワークからも解放され、的確な判断が下せるようになると同時に、自身の健康状態を維持することにも役に立つ。

ほかにも、菅氏は、パウエルの13ヵ条のルールの一つ「小さなことをチェックすべし」も紹介していて、自身のエピソードを語っている。私もおおらかに見えるが、特に上司に報告するときは、小さなことまでチェックする。私は、上司が「私からの情報の何を必要としているのだろう」、「判断する材料として、なにを欲しているのだろう。」ということを意識して報告をあげようと努力している。参謀として、自身が理解し、重要となるポイントを把握していないと、組織全体が誤った方向に進むリスクさえ生じてしまう。

菅氏同様、「コリン・パウエル リーダーを目指す人の心得」は、私にとっても、大切なバイブルである。

(参考文献)
・雑誌「PRESIDENT(プレジデント)」 2019.10.4号、プレジデント社