本書は、「伝える力」を世界で一番簡単に習得できることを目指しています。
(引用)1分で話せ、著者:伊藤羊一、発行所:SBクリエイティブ株式会社、2018年、9
職場では、常に「伝える」ことが求められる。
これは、職階が上がるにつれ、「伝えること」が減るかと言われたら、大間違いだ。逆に、歳を重ねるごとに、上層部に伝えなかればならない機会が増えてくる。
しかも、上層部は忙しい。短時間で、しかも的確に、論理的に伝えることが求められる。
中間管理職であれば、部下からの伝え方を参考に、自分は、上層部にこのように伝えようと学習する。しかし、それには、限界があることに気付かされた。そんなとき、一冊の本に出会った。ヤフー株式会社 Yahoo!アカデミア学長である伊藤羊一氏による「1分で話せ(SBクリエイティブ株式会社、2018年)だ。
まず、本書を読み終えて感じたことは、「読みやすい」ということだ。冒頭にも引用したが、伊藤氏は、本書で「伝える力」を世界で一番簡単に習得できることを目指していると言われる。読み始めたら、時間も経つのも忘れ、2時間もあれば全て読み終えてしまった。
そんなに早く読み終えてしまったならば、内容的にどうであろうか。
一言で言えば、「参考になった」ということだ。
世には、ロジカルシンキングの本も数多く出版されている。しかし、伊藤氏は、ピラミッドストラクチャーを用い、短時間で、しかも的確に、論理的に伝えることを提案する。簡単かつ実用的なこのピラミッドストラクチャーは、自分自身も”使える”と感じた。常にピラミッドストラクチャーを自分のフォーマットとして、頭に入れておこうと思った。
これだけではない。
ピラミッドストラクチャーは、さらに応用が効く。
よく、相手からの「予期せぬ質問」によって、頭が真っ白になることがある。
そのときにも、ピラミッドストラクチャーは、有効であると感じた。
この「予期せぬ質問」は、職階が上位になればなるほど、遭遇する機会が増える。
常に、自分の”武器”として、ピラミッドストラクチャーを活用していこうと感じた。
一方、伊藤氏は、プレゼンの仕方などの解説もしてくれる。
パワーポイントの作り込みの仕方などもわかりやすい。
また、実際にプレゼンするときの態度なども参考になる。
伊藤氏は、ほかにもプレゼン関連の書籍を出版されているようである。
後日、拝読させていただきたいと思った。
「1分で話せ」というのは、まさに的を得ている。
伊藤氏も「人は、相手の話の80%は聞いていない(本書、17)」と言われる。
私も経験上、部下は「上層部に話しておきました」と言っても、上層部からは「聞いていない」と言われることも多々ある。
短時間で、しかも的確に、論理的に。
本書を読み、伊藤氏から、その答えを得ることができた。